中国周辺 / 秦・漢帝国と中華世界 4 / 6

漢の文化と社会

漢の文化と社会

漢の約400年間(前202〜後220年)は、中国の文化・学術・技術が大きく発展した時代です。「漢民族」「漢字」という呼称がこの王朝名に由来するほど、その影響は現代にも及んでいます。

学術と文学

武帝が儒学を官学化したことで、儒家経典の研究が盛んになりました。また歴史記述の面でも画期的な業績が生まれました。

  • 司馬遷の「史記」:黄帝から武帝の時代までを記した中国初の本格的通史(紀伝体)
  • 班固の「漢書」:前漢の歴史を記した正史の原型
  • 太学(国立大学)での儒学教育:官吏養成の基盤
📘 技術革新と仏教の伝来
紙の発明・改良(蔡倫・後漢・105年ごろ):絹や竹の代わりに安価な紙が普及し、情報記録・伝達を革新
仏教の伝来(1世紀ごろ):シルクロード経由でインドからの仏教が後漢宮廷に伝わる。明帝の時代(1世紀後半)に初の仏教寺院・白馬寺が建立されたと伝わる
・農具の改良:鉄製農具・代田法(土地効率化)の普及
・地震計の発明:張衡が渾天儀(天文儀器)や候風地動儀(地震計)を製作(2世紀)

漢代の社会構造

漢代の社会は皇帝・官僚・地主(豪族)・農民という階層構造で成り立っていました。地方の豪族は土地と農民を支配し、後の後漢末期には皇帝権力に匹敵する勢力を持つようになりました。また商業も発展し、長安・洛陽には大規模な市場が形成されました。

練習

  1. 中国初の本格的な通史を著した前漢の歴史家の名前と書名を答えよ。
  2. 後漢の蔡倫が改良し情報伝達を革新した発明品は何か。
  3. シルクロード経由で後漢に伝来した宗教と、その発祥地を答えよ。
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